第17回情報デザインフォーラム @千葉工業大学
22日に千葉工大で行われた情報デザインフォーラムに参加し、
同時に催されていたオープンラボ2015も見てきました。
今回の情報デザインフォーラムのテーマは
キヅキとデザインという事で、私が参加して得たキヅキをまとめます。
▶文脈を捉えるという事
▶デザイナーとしての武器を考える
▶いつも得ているキヅキは追認型が多かった
▶グラレコの役割のひとつとして、場をつくるという事
▶文脈を捉えるという事
柳本さんのお話の中で3歳から8歳頃までの生立ちのお話はとても驚きました。毎回何らかのキヅキを得ている事です。
そしてそのキヅキが、リフレーミングする時の言葉として私にはわかりやすいなと思いました。
今振り分けられているジャンルをもう一度再編集すると価値はどう変化する?
見えている部分だけでなく、背景を知る事で価値を考えるとしたら?
どの状況でどんな繋がりがあるか、関係性を見て価値を生み出したら?
文章にしてみるとサービスを考える上で当たり前の事なのですが、 いざ価値創出するぞ!となると、中々忘れてしまうので書き留めておきます。
▶デザイナーとしての武器を考える
ワークショップで現在のデザイナーと未来のデザイナーの役割の違いを考えました。
ここで感じたことはどのチームも似たような事を言っているなという印象です。
昔のデザイナー像は「技術思考、技術発信の製品開発」「綺麗に形にする人」
未来のデザイナー像は「未来はモノからコト視点になっている」「デザインだけの役割でなく様々な分野部門を通して価値を考える姿勢が普通になる」「UXやHCDじゃなければ新たなサービスが生まれない」「デザインに至るまでのプロセスが特に重要になる」などなど。
でもこれって、今のデザイナーじゃない?と感じたのです。
本当に遠い未来のデザイナーってなんだろう。
私は、昔みたいなデザイナーに戻るんじゃないか!?と思ってます。
私は、デッサンやデザインする能力が人より凄い秀でている訳ではありません。なのでデザイナーとして、評価される部分とは、なんだろうと思った時に重要なのはそういったスキルではなく「考え方」だと思ったんです。
例えばそれは、本質を見極める力、価値の生み出し方だったり、経験して来た事の捉え方だったり、多角的に考えるために様々な尺度を持っている事、です。
いわゆるデザイン思考ですが、これを様々な分野で出来るように浸透させていこうという動きが現在あるわけじゃないですか。となると、デザイン思考はデザイナーのものだけではなくなっていって、評価される部分としてあった「考え方」が評価されなくなるんじゃないかな、と。
ではデザイン思考という「考え方」を誰もが会得した未来で、じゃあデザイナーの仕事は?となった時の評価ポイントは、綺麗な物を作る事と、人と違う経験/生き方だと思いました。
やっぱり昔のように「綺麗なものを作る人」は スキルを磨いて行かないと出来ることではありません。良い物を見たり、ひたすらデッサンしたり。
あとは「人と違う経験/生き方」もありますよね。デザイナーの方って海外旅行経験豊富だったり、なんか違ったポリシー持っていたりそういうこだわりや生き様が特に評価されるんじゃないでしょうか。
昔みたいなデザイナーに戻る!は言い過ぎかもしれませんが、上記に挙げた二つ以外の武器以外にも何か求められるようになるんだろうなというと思いました。
ふわふわっとしてますが…。
人間工学とか本気で学ぶと、裏付けとか出来やすくなって武器になりそう。
なんで?と追求できる力もデザイナーならではの武器?でも他の人もデザイン思考会得したら出来るようになっちゃうか…。
▶いつも得ているキヅキは追認型が多かった
私たちが授業でやっている分析から出て来る価値には追認型が多いこと多いこと…。
誰もが「あ〜!あるある〜!」と言いやすく賛同を得られる事が多いのがこの追認型。
原因として表面的だったり、事象の類似性で整理していたり、そもそもの分析が甘いという事が挙げられます。
では、追認型ではない分析をするためにどうしたら良いか?というお話の中で
グランデッド・セオリー・アプローチ(後で詳しく調べます…) の方法が挙げられました。
同一概念の両極端を見ること、同一概念の異次元で考える事が大切ということで、これを言葉にすると先ほどの文脈を捉える事に通ずるんじゃないかな、と。
まさに柳本さんが、意外な結びつきの大胆な仮説を実践している人だ!と感動していました。
といっても、柳本さんのようにやろう!となっても簡単に出来るはず無いんですが。
普段の授業でいつも悩む事といえば事象同士の関係性を見つける事なんですが、「同一概念の両極端を見ること、同一概念の異次元で考える事で何か見つけられるよ!」と言われてもいまいちパッと理解出来そうにないので、自分なりの回答を見つけないと難しいなと感じました。
その感覚を掴むには実践あるのみ、なんでしょうか。
あとは、それって本当?なんでそうなの?という部分の追求を緩めない事も大事ですね
▶グラレコの役割のひとつとして、場をつくるという事
懇親会でお話をしていて気付いた事ですが、グラレコの役割のひとつとして場をつくる事もあるよ、という言葉がわかりやすかったです。
今までの私の中での分類は、振り返る為に使いやすいグラレコ、イラスト表現で見やすいグラレコ、講演者が使えるグラレコ、みたいな考え方でした。
なんとなく統一感がなくて、グラレコって結局何が大事なんだ?となっていました。
グラレコは場を作ることが目的だと言い換えると、その為に必要な事は?じゃあどうしたら?と考えやすくなりました。
文章で書くと別にどっちの考え方も一緒のように見えるんですが、私にとって「場をつくる」という言葉がストンと来ました…。謎です。
特に三澤さんの行っているグラレコがそれに当たると思うので、場をつくるという意識の元どのような工夫や捉え方をしているのか勉強していきたいと思いました。
全てを通して感じた事は
人生経験を豊かにする事が大事。
それは物事の捉え方や文脈の考え方、人の本質を見る時にとても大切な軸になる。
じゃあどう豊かにするのって言われたら本を読むとか海外行くとか月並みの回答しかできない事が悩みです。とりあえず海外行きます。
そしてブログを書いていると、自分で書いている文章に対して「いやお前それは違うだろ」と考えまくってしまい短時間で仕上げられません難しい
気付きの深さ浅さも経験から来るんだろうなと、文章を書いていて感じました…。
サービスデザインのためのユーザーインタビュー入門 @渋谷
7月11日(土)に行われたUXD/HCD ワイワイCAFE
UX、デザイン思考、サービスデザインのためのユーザーインタビュー入門に参加してきました。
タイムスケジュールはこのような感じ。
14:20 - インタビューライブ(①三澤さん②山崎さん)
→ビデオで振り返り
15:20 - 参加者体験WS(3人チーム)
15:45 - チームディスカッション
16:05 - 講師方のパネルディスカッション
17:00 - 終了
最近授業などでインタビューをする機会が多いのですが、何が質の良いインタビューで、何が的を射ない質問なのか境界線がわからず、今回のWSに参加させて頂きました。
(ごめんなさいメモ取るの必死で写真何も無いやつです……)
まず驚いたのが講師の方が五人もいらっしゃること!
なんと手厚いWSなんだと興奮していました。
一度目のインタビューライブでは三澤さんがインタビュアーとして、男性参加者の方をインタビュー。5分間で「好きな食べ物について」を伺います。
直球で「何が好き!?」とは聞かず、少し遠めの、日常的な行為からその人を知ろうとしているような印象を受けました。
一回目のインタビューライブという事で、インタビュイーも前半の方は緊張している様子…
三澤さんは、インタビュイーが自分で料理を作っているという点にフォーカスを当てて、その人の本質に迫って行きます。
後半になりインタビュイーが喋りやすくなってきた頃に5分終了。
その後にビデオで振り返りをしました。三澤さんのインタビューの様子を山崎さんが講評をしました。
この番号をふってある箇所がビデオをとめた上で説明のあったところ。
右側が、その時の説明です。
どうやら三澤さんは、外堀から埋めるような感じで、生活習慣から、その人の本質?大切にしていることに迫って行く質問の仕方でした。
二回目のインタビュアーは山崎さん。先ほどと同じく5分間で「好きな食べ物について」。
最初に、商品企画でのヒントを得られたら、と目的を聞いています。
そこから「何が好きですか?」と聞いて、その人の好きな物の数を吐き出させます。
印象的だったのは、「自分だったらこう思うんですが、あなたは?」など、相手の意見を求めるような聞き方をしていたこと。
「焼き鳥とお団子って似てますよねw刺さってるとこが!」のコメントは笑いました。奥泉さんが笑いは大事!と仰っており、まさに、笑いがある事で安心感を与えて対等な立場になるような気がします。
ここまでで聞いておおっと思ったポイントがこんな感じ。
どちらも気にしていたのは、環境の変化なのか意識の変化なのかなど、変化の視点でした。そこをかなりつっこんで聞いて行くと、その人の大切にしている事が少しずつ見えてきたのが面白いです。
また、インタビュアーの表情や口調などでインタビュイーの発言をコントロールしていたのはさすがだと思いました。質問する側、答える側、お互いに頭を使いながら、どの答えが正解なのかと模索しながらやりとりをしていく姿…
答える方も楽ではないなと感じました。
何より、インタビューにおいて何がゴールかはっきりさせておくことが一番大事ですね。これが無いとそもそも何をインタビューすべきか、どの時点で他の話題にうつったら良いかがわからなくなってしまいます。
山崎さんの、意見を言ってもらう為に、あえて遠い意見や例を出すというのは面白かったです。同調してもらってはダメで、「いや!そうじゃなくて!こう思うんだよ!」と言ってもらえるのが成功ですね。
その後、3人チームを作って実践です。
「他人に紹介できるまで相手を知ろう」5分間
[1]インタビュアー [2]インタビュイー [3]ジャッジマン
それぞれ役割分担をして、ジャッジマンはインタビュアーの評価をします。
左側は私がインタビューした内容で、評価項目は画像右側。
自分の対応を評価されるのは中々緊張しました…w基本技チェックシートには、インタビュアーがすると良い動作や質問の仕方が書いてあって今後意識していきたいと思いました。
挑む前にはこれを見るw
難しいのは、クローズドクエッションの、例を示して質問を明確に(誘導にならないよう気をつける)はかっこ内のコントロール。私はどちらかというと誘導気味なタイプに分類されるので、多くの例を出す事で回避するのは良い事聞きました。
そして最後のパネルディスカッション。
各グループが出した質問の付箋からピックアップして答えてくださいました。
皆さん、インタビューする前にはしっかりと事前準備をするらしく、三澤さんもインタビューライブに入る前に、質問の構造?構成?何が聞けたら正解なのか?をしっかり考えていたそうです。
山崎さんも質問の内容を事細かに作り込むようで、成功させるにはそれだけの準備が必要なんだと感じました。その事前準備が気になって仕方ありません。紙に起こすのか?パソコンで細かく文字打ちしてチャート状にでもなってるのか?何をもってゴールと設定するのか?
インタビュアーの能力として、解釈の仕方が求められていると聞いて、データを取る為に聞くという姿勢は駄目ですね…。後で分析するから、ではなく、最中もちゃんと頭の中で解釈して分析して答えに近づく事が大切だと学びました。(やってから考えようが通じない世界…ちゃんと考えながら、その後に分析して、考えた事の何が正しい正しく無いを明らかにして次に進まなきゃいけないのですね…)
そして最後に、教科書にみなさんのサインまでいただいちゃいました!!!!
ありがとうございますちゃんと読んで家宝にします!!!!!!